企業分析

【企業分析】時価総額国内No1! 7203 トヨタ自動車

今回は最近過去最高利益を発表したトヨタについて紹介します。

企業名:トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト (global.toyota)

今回は株価や業績等の情報だけでなく、戦略についても取り上げようと思います。

企業概要

会社概要です。
従業員数はすごいですね。。。

項目 内容
代表取締役社長 佐藤 恒治
創立 1937年(昭和12年)8月28日
資本金
(2023年3月末現在)
6,354億円
従業員数
(2023年3月末現在)
70,056人(連結 375,235人)

会社案内 | 会社概要 | 企業情報 | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト (global.toyota)より抜粋

戦略

まずはクルマ社会における課題から説明します。
課題:カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)

簡単に説明すると温室効果ガスの排出量と吸収量を足し合わせたときにゼロになることです。
このカーボンニュートラルに対して、トヨタは「マルチパスウェイ」戦略のもと、世界中のユーザーに選択肢を提供しております。

なぜテスラやBYDなどと異なり、マルチパスウェイ戦略をしているかというと、地域ごとにエネルギー事情・気候・インフラ状況等が異なり、ユーザーのニーズも異なるからです。

自動車の種類

まずは自動車の種類からです。
種類としてはカーボンニュートラル実現に向けた下記6種類
+1種類(ICE(インターナル・コンバッション・エンジンの略称で、日本語では内燃機関。いわゆる一般的なガソリンエンジン車))があります。

出典:世界販売台数(S&P Global)

販売実績

トヨタはグローバルに多様なニーズにこたえるフルラインナップを戦略としています。
下記が販売実績を表しています。
前述した複数の種類の自動車を販売することで地域ごとに異なるニーズに対応しています。

2023_001_integrated_jp.pdf (global.toyota)より抜粋

地域ごとのエネルギー事情

下記は地域ごとのエネルギー事情を図示しています(IEA WEO2023 STEPSシナリオより抜粋)。(2023_001_integrated_jp.pdf (global.toyota)より抜粋)

比較すると地域ごとに発電手段が異なることがわかります。
日本は現状火力による発電が大部分を占めるのに対して、欧州は再生エネルギーの発電割合が大きくなっています。

そのため、現状は日本でBEVを進めても、電気を作る段階でCO2を大きく排出するため、カーボンニュートラルに対しては効果が小さいことがわかります。

一方、欧州は再生エネルギーの割合が他の地域と比べて大きいので、BEVによる効果が大きいといえます。

気候

気候に関しては2024年1月にはアメリカのイリノイ州で大寒波によりバッテリーの性能が極端に落ちて動かなくなったBEV車(バッテリー電気自動車)が後を絶たないニュースが報じられました。
このことにより、BEV車の購入をためらった方もいるのではないでしょうか。

凍てつく寒さの中で死んだテスラ車が並ぶシカゴのスーパーチャージャーステーション、「ここには死んだロボットが集まっている」 – GIGAZINEより抜粋

充電インフラ

最後にインフラ事情です。
2022年時点での地域別の充電スタンド数を表しています。
中国・欧州(ヨーロッパ)が多くなっています。
充電インフラが先かBEVの普及が先か鶏か卵かの問題がありますが、インフラが整っているほど、BEVが普及しやすくなりますね。

Global EV Data Explorer – Data Tools – IEAより抜粋

企業分析

株価

株価です。
直近10年では横ばいが続いていましたが、最近は物凄い勢いで上がっていますね。

直近1年のチャートです。
1年で1.5倍となっており、時価総額は2024年5月時点で56兆円となり、バブル期の最高時価総額最大のNTTの46兆円を超えたことで最近ニュースになっていましたね。

売上高・営業利益

リーマンショックやコロナショックもありましたが、順調に売上高を伸ばし、2024年3月期では45兆円にもなっています。

売上高 営業利益
2010年3月 18兆9509億 1475億1600万
2011年3月 18兆9936億 4682億7900万
2012年3月 18兆5836億 3556億2700万
2013年3月 22兆641億 1兆3208億
2014年3月 25兆6919億 2兆2921億
2015年3月 27兆2345億 2兆7505億
2016年3月 28兆4031億 2兆8539億
2017年3月 27兆5971億 1兆9943億
2018年3月 29兆3795億 2兆3998億
2019年3月 30兆2256億 2兆4675億
2020年3月 29兆8665億 2兆3992億
2021年3月 27兆2145億 2兆1977億
2022年3月 31兆3795億 2兆9956億
2023年3月 37兆1542億 2兆7250億
2024年3月 45兆953億 5兆3529億

下記は売上高と営業利益のグラフです。
軸は左側が売上高、右側が営業利益になります。
2024年は営業利益が一気にあがっています。

EPS

次はEPSです。
企業を評価する際に使用される指標のひとつになります。
1株当たりの純利益がどれだけあるかを示しております。

以下の計算式で算出します。

EPS = 当期純利益÷発行済み株式数 

営業利益同様、2024年に大きくのびています。

ROE

次はROEです。
ROEはReturn On Equityの略で、日本語では自己資本利益率になります。

企業を評価する際に使用される指標のひとつになります。
パーセンテージで表され、自己資本に対する1会計期間の最終的な利益の割合を示しております。

以下の計算式で算出します。

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

ROE
2013年3月 7.92%
2014年3月 12.60%
2015年3月 12.95%
2016年3月 13.81%
2017年3月 10.45%
2018年3月 13.31%
2019年3月 9.46%
2020年3月 9.88%
2021年3月 9.59%
2022年3月 10.86%
2023年3月 8.65%
2024年3月 14.45%

まとめ

今回はトヨタを紹介いたしました。

マルチパスウェイ戦略をとり、世界中の様々なニーズにこたえることで売上をのばしております。
まだまだ世界の自動車業界を牽引して、頑張ってもらいたいですね。