今回は2024年1月1日に永眠された経済評論家の山崎 元さんの著書である、下記本を紹介いたします。
タイトル:経済評論家の父から息子への手紙 -お金と人生と幸せについて-
著者:山崎 元
本書は2023年春に山崎さんの息子さんが大学に合格されたのを祝って送られた手紙が元になっております。
私も息子がおり、同じ父親としてこの本を読んだ感想を紹介したいと思います。
目次
概要
本書は4章構成になっており、最後に付記として山崎さんが息子さんへ送られた手紙の内容が記載されております。
第1章の冒頭が”さて、息子よ、始めるぞ。”から始まるように、山崎さんが息子さんへ説明するような口調で記載されています。
息子さんを一人の大人として扱って自身の考えを述べられています。
章構成
第1章:働き方・稼ぎ方
第2章:お金の増やし方と資本主義経済の仕組み
第3章:もう少し話しておきたいこと
第4章:小さな幸福論
付記:大人になった息子へ ー息子への手紙全文
印象に残った内容
新しい時代の稼ぎ方のコツ
“「『自分を磨き、リスクを抑えて確実に稼ぐ』ことを目指す古いパターンよりも、『自分に投資することは同じだが、失敗しても致命的でない程度のリスクを積極的にとって、リスクの対価も受け取る』のが、新しい時代の稼ぎ方のコツだ。リスクに対する働きかけ方が逆方向に変わった」”
『経済評論家の父から息子への手紙』P19
筆者は新しい時代では下記2点を目的としています。
・「時間の切り売り」では達成できない効率性を求めること
・働き方の「自由」の範囲をかつてよりも、もっと大きく拡げること
上記目的を達成するためには自分で起業したり、報酬を自社株で支払ってくれる会社働くこと等「株式で稼ぐ働き方」を実践することを主張しています。
私は新卒からずっと1社で働いておりますが、なかなか転職など踏み切れていない状況です。
早期退職はするかもしれませんが、このまま会社員生活は1社で終わる予定です。
株を購入すること・早期退職し、会社に依存しない生活を送ることで古いパターンから脱しようと思います。
お金の運用について
お金を効率良く増やすには、次のようにするとよい。
『経済評論家の父から息子への手紙』P56
(1)生活費の3~6か月分を銀行の普通預金に取り分ける。残りを「運用資金」とする
(2)運用資金は全額「全世界株式のインデックスファンド」に投資する
(3)運用資金に回せるお金が増えたら同じものに追加投資する。お金が必要な事態が生じたら、必要な部分解約してお金を使う
ほかの本やYoutubeでも同様な内容が言われていますが、山崎さんも「全世界株式のインデックスファンド」への投資を推奨しています。
私はeMAXIS Slimのオルカンに投資しており、これからも続けていこうと思います。
「労働者タイプA」のみになることを全力で回避せよ
筆者は「労働者タイプA」のみになることを回避するよう主張しています。
「労働者タイプA」の特色は以下になります。
①他人と取り換え可能な同じような人材になる
『経済評論家の父から息子への手紙』P90
②会社が用意した働き方だけで満足する
③雇用不安や賃金減少のリスクを極端に嫌う
などの特色がある。
こうした人材になると、会社に対する立場と交渉力が弱くなり、会社の言いなりになって能力のわりに低賃金で働かざるを得ない。実質的に「使い捨て」されることも珍しくない。
「新しい資本主義」と共に「資本主義」という言葉をオワコンにしよう | 山崎元のマルチスコープ | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)より引用
回避するためには他人と違う能力を持ってそれを仕事に使わせてもらうようにアピールなど工夫と努力が必要だとも主張しています。
私は現時点では労働者タイプAになっていますが、社内での専門性を高い業務につくことで「使い捨て」されない人材になれるよう、努力をしています。
サンクコストにこだわるな
サンクコストとは、既に発生していて回収が不可能なコストのことだ。
『経済評論家の父から息子への手紙』P144
意思決定にあたっては、サンクコストを無視して、これから変えることのできる将来にのみ注意を集中することが正しい。
私は過去、仕事で終わったことに対してグジグジ言って失敗したことがあるので、この言葉は響きましたね。。。
仕事でも、家庭でも、過去のことにこだわらないようにしたいと思います。
幸福の決定要素は、実は1つだけ
たいていの人間は幸せでありたいと願う。
『経済評論家の父から息子への手紙』P148
では、幸せを感じる「要素」、あるいは「尺度」は何か。多くの先人がこの問題を考えている。
父はこの問題に暫定的な結論を得た。人の幸福感はほとんど100%が「自分が承認されているという感覚」(「自己承認感」としておこう)でできている。そのように思う。
この内容は私も同意できますね。
特に子供を育てる中で、子供が自らの行動を褒められたりしたときが一番喜んでいる気がします。
家庭においては、相手の意見を尊重し、相手を承認していけるようにしていきたいと思います。
「自分の嬉しいこと」を言語化せよ
日常の一日一日、一時一時を大切にしよう。幸福感は「その時に感じるもの」だ。
『経済評論家の父から息子への手紙』P164
そして、自分にとって、どのようなことが嬉しくて幸福に感じるのかに気づくといい。できたら、それを言語化しておこう。
これはこれまで考えていなかったので、これを機会に考えようと思います。
今後の社会人生活・プライベートではここで言語化した内容になるように自らの行動をすることで、幸福になるようになりたいですね。
「モテ」の秘訣はただ一つ
以下、仮説に過ぎないが、モテる男になるためのコツを述べておく。
『経済評論家の父から息子への手紙』P166
それは、心からの興味を示しながら、相手の話を熱心に聞くことだ。ひたすら聞くのだ。これが肝心だし、これだけでいいのかもしれない。自分から行う自分語りは一切いらない。自分について語ろうとすると、どこかに自慢やアピールが混じる。やめておけ。
この内容は先ほど出てきた幸せの決定要素に近いですね。
私は結婚しているので異性にモテる必要はありませんが、人として、良い人間関係を築くためにも、相手の話を熱心に聞こうと思います。
上機嫌で暮らせ
結論を述べる。
『経済評論家の父から息子への手紙』P167
モテる男になれ。友達を大切にせよ。上機嫌で暮らせ!
その通りですね。
友達に関しては、社会人・家庭を持つと忙しくて友達と遊ぶ機会が少なくなってきます。
限られた時間の中でも今いる友達を大切にしていきたいですね。
まとめ
今回は故 山崎元さんの著書である『経済評論家の父から息子への手紙 -お金と人生と幸せについて-』を紹介いたしました。
山崎さんの人生観・経済的考え・息子に対して何を伝えたいかなど、
息子を持つ私にとっては考えさせられる内容でした。
息子はまだ小さいですが、もう少し大きくなったら、再度読み直してみようと思います。