企業分析

【投資信託比較】オルカン vs S&P500

今回は2024年2月の楽天証券の買付金額ランキングの1,2位である下記2銘柄の比較をします。
eMAXISSlim米国株式(S&P500)
eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)

このブログを見ている方なら両方ご存じではないでしょうか。
ネットでもどっちにするか問題が繰り広げられており、実際に購入時に悩まられた方もおられると思います。
今回は両銘柄を比較することで、どちらを購入していくかの参考になれば幸いです。

以下の流れで説明していきます。

〇目次
・銘柄概要
・構成銘柄
・過去実績
・メリット、デメリット
・まとめ

銘柄概要

〇S&P500とは

アメリカの代表的な株価指数の1つです。
その名の通り、アメリカの500社の企業株式の変動価格を表しております。

〇オールカントリーとは

世界の先進国・新興国の株式で構成された株価指数です。
具体的には下記の国・地域で構成されています。

三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
投資信託説明書より

構成銘柄としてはアメリカが一番多く、62.3%の割合を占めます。
二番目に多いのが日本であり、10%程度ではありますが中国やインドといった新興国も含まれています。
オルカン一つで日本含めて世界中に投資することができます。

構成銘柄

まずはS&P500です。

次にオルカンになります。

比較するとオルカンの構成銘柄上位10位まではすべてアメリカになっていることがわかります。
また、構成銘柄も順位の入れ替えはあるものの、ELILILLY&COとBERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B以外は同じ銘柄が上位に入っています。

この理由としては現時点ではアメリカの企業がほかの国の企業よりも業績が良く、時価総額も大きいからになります。

参考で2024年1月末時点での世界時価総額ランキングを示します。
国名は書いていませんが、3位のサウジアラビアの企業を除くと、上位10位はアメリカの企業で占めていることがわかります。

世界時価総額ランキング 2024 ― World Stock Market Capitalization Ranking 2024 (180.co.jp)

過去実績

2018/10/31~2024/3/8までのS&P500とオルカンのそれぞれの推移を示します。
2018/10/31時点での基準価格を1としてグラフ化しています。
緑色の比較はS&P500をオルカンで割った値です。

比較すると、
・グラフの形状が似ていること
・2018年からの約5年5カ月でS&P500のほうが上昇率が高いこと

がわかります。

理由は構成国と銘柄で紹介させていただいた通り、オルカンの構成銘柄の62.3%をアメリカが占めているからであり、
オルカンに投資する=2/3をアメリカに投資することになるからです。
話が逸れますが、これがオルカンとS&P500を買っても分散にならないといわれている理由になります。

また、世界の時価総額TOP企業の割合が多いため、S&P500のほうが成績が良くなっています。

メリット・デメリット

〇S&P500

メリット
・現時点では世界で一番勢いのあるアメリカの代表する企業に投資することができるため高利回りを確保できる可能性が高い
・S&P5000の銘柄も随時更新されるのでリスク分散できる

デメリット
・今後もアメリカが世界のトップをはしるとは限らない
・今回の資料には無いが、2000年代は約10年間横ばいが続いた。同様に今後長期間成長をしない可能性がある
・米ドル建ての投資であるため、円目線で見れば為替の影響を受ける

〇オルカン

メリット
・全世界に投資できるのでアメリカ企業の景気が悪くても他の国の企業が好景気であれば構成銘柄が更新されているため、世界中にリスク分散できる
・上にも関連するが、世界中に分散されており、随時銘柄が更新されるので、ポートフォリオの見直し頻度を下げられる
・世界中の勢いのある銘柄で構成されるため、世界中の景気が悪くならない限り、比較的安定したリターンを得られる可能性が高い

デメリット
・世界中に分散しているので、成長が小さい国も含まれるため、大きなリターンは得づらい
・米ドル建ての投資であるため、円目線で見れば為替の影響を受ける

まとめ

S&P500はアメリカのみ、オルカンは全世界に投資しています。

どちらを良いと感じるかは人によって違うと思います。

今後もアメリカの成長にだけ投資したい。と感じればS&P500。アメリカだけに不安を感じる人やリスクを世界中に分散したいと感じる人はオルカン。など、両者の特徴を把握して判断していきましょう。

ちなみに私は世界中に分散しつつも成長企業の多いアメリカの影響を受けやすくするためにオルカンとS&P500の両方を保有し、アメリカ比率を上げています。

今回の記事が皆さんの役にたてれば幸いです。