昨今半導体が盛り上がっていますが、そもそも半導体がどんなものか、どうやって作るのかをご存じでしょうか。
今回は半導体とは何か、どうやって作るのかを解説していきます。
半導体とは
半導体は金属と絶縁体の中間の性質をもつ物質のことです。
それでは金属と絶縁体はどんな性質かというと、
金属は電気を良く通す物質
絶縁体は電気を通しにくい物質
になります。
中間の性質を利用して、電気を流す、流さないをコントロールすることができます。
この半導体はスマホや家電、自動車などの電子機器に使用されています。
また、半導体にも種類があります。
まず一般的に半導体として使用されるのがシリコン(Si)になります。
シリコンは最外殻に電子を4つ保有します。
このシリコンのみを組み合わせたものが
(a)真性半導体になります。
各シリコンの周りには8個の価電子が存在しています。
この状態では価電子が動きにくいため
電気機器で使用する電子回路には使用しにくい状態になります。
そのため、b,cのように微量の添加物を混ぜて不純物半導体として使用します。
(b)は価電子が5つのリン(P)を混ぜた時のことを図になります。
価電子が1個余ることで結晶の原子間を自由に動くことができます。
cは価電子が3つのホウ素(B)を混ぜた時の図になります。
1つ足りない(正孔が1つある)ため、この正孔が結晶の原子間を自由に動くことができます。
これら電子、正孔が動き回ることで電気が流れるイメージです。
半導体の使われ方
半導体はスマートフォンや家電、自動車で多く使用されています。
具体的には
家電やスマホの中に電子基板があり、
電子基板には電子部品が実装されており、
電子部品の中にはチップがあり、
そのチップが半導体などで構成されています。
半導体部品の作り方
ではこのチップ部分はどうやって作るかというと、ウエハと呼ばれる円盤状のものから作ります。
このウエハは一般的にはシリコンで構成されています。
この状態ではまだシリコンしかないため何にも使えない状態です。
そこで、このウエハ上に加工をしていきます。
上述したリンやホウ素など不純物を混ぜたりし、ウエハ上に回路を構成設計します。
そうすることで希望する機能を有したチップをウエハ上に大量に構成します(かなりざっくりと記載してます)。
次にウエハ上に構成されたチップを切断し、↑の工程で構成されたチップの1つから配線でピンに接続したり、チップ周りを樹脂で囲って保護し、電子部品の完成になります。
上記の工程を大きく2つに分け、ウエハ上にチップを構成するまでを前工程
ウエハ上に構成されたチップを分割し、搭載して電子部品を作るまでを後工程と呼びます。
前工程と後工程はさらに細かく分割され、関連する企業も異なってきます。
一例をあげると、前工程のウエハ上にチップを構成する代表企業として、TSMC等があります。
前工程と後工程に関してと関連する企業は別途作成していきたいと思います。